2023年04月01日
熱量と思いやりを持った
一流が集う会社
中村 翼(29)
デザインユニット / ユニットマネージャー
2021年9月 アーリーワークスに入社。
デザイナーとして業務を行う傍ら、ユニットマネージャーを勤めている。
一人で仕事をしていると、
経験やスキルが最前線と比較して弱くなる感覚があった
——簡単な自己紹介と、今やっている業務内容を教えてください。
中村:デザインユニットでユニットマネージャー兼デザイナーとして働いている中村翼です。本社は東京にあるのですが、私は福岡県でフルリモートという環境で仕事をしています。主な業務は他事業部や会社全体に関わるデザインをまとめて担当するデザインユニットのマネージャー業務と、一部ブランディングの業務も行なっています。マネージャーと言いつつ、デザインユニット内には外部のデザイナーも合わせて3名しかいないため、プレイヤーとしての仕事が多いです。
——ご経歴とアーリーワークスに入社された経緯について教えてください。
中村:アーリーワークスに入社したのは2021年9月ですが、アーリーワークス自体とは入社する2年以上前から関わりがありました。新卒時は地元の長崎でHP制作や広報等の仕事をしていて、クリエイティブな仕事に惹かれて最前線の技能を身につけるためにWeb制作会社に入社し4年半程働いていました。その後フリーランスとして2年ほど活動している中でクライアントとしてアーリーワークスに出会ったのが最初でした。最初はサービスサイトのLPをコーディングするという仕事だったのですが、後にアーリーワークスのHPデザインをリニューアルするというお仕事をいただき、その時のご縁もあって入社という運びとなりました。
——制作会社で正社員としてずっと働いていて、そこからフリーランスになるという時に覚悟みたいなものはありましたか?
中村:思い返すと、覚悟とは真逆の思考でした。制作会社での仕事はすごく刺激的で楽しくてやりがいもあったのですが、同時にすごく「会社」という組織構造にネガティブな印象を持っていたんです。 今ではそれぞれの立場や思想が複雑に絡み合って利害や信念の解決を求めている形態だと考えられますが、当時は思考する力や技術力が薄かったので、その皺寄せもあり業務量についていけず信念も保てずストレスだけが大きくなって、結局病気になってしまいました。 そして自然な流れで、身体と心がついていかないと思ってフェードアウトする形でフリーランスのデザイナーになりました。
なのでなぜフリーランスになろうと思ったか、覚悟はあったかという質問に対しての回答は、なるべくしてなったというのが正しいです。 フリーランスになってからは自分だけで自分のために時間を使って俯瞰して物事を考えて見ることができるようになったので、その負のスパイラルからは脱却できています。責任は全て自分に合って、その見返りやしっぺ返しは自分に返ってくるという環境がよかったんだと思います。自分でアイデアを出して、計画して、実行して、反省して、という一連の流れの成果や反省点を全て自分で受けられたのはとても心地よかったです。
——そんな心地いい環境でデザインの仕事ができていた一方で、なぜフリーランスをやめてまでアーリーワークスに入社しようと思ったのでしょうか?
中村:仕事の量や成果について悩むことはほぼないとても充実した環境に身を置いていたのですが、自分ができる仕事をこなしているだけの生活だったので、どんどんと人脈やスキルが狭まっていく感覚があったんです。クライアントとのやりとりはあるのですが、それ以外のやりとりがほぼない状態で2年間くらい漠然としていて、制作会社と違って同業の方が身近におらず、クライアントも人が良かったので悪い部分を特に指摘されないという状態でした。そのまま一人で仕事をしていても得られる経験やスキルは最前線から見るとどんどん弱くなっていくというリスクをすごく意識していました。 デザインは普遍的なところもあるのですが、今を生きる人の美意識や印象的だと思う感覚を追い越さないといけないので、ネットや勉強会の中のみで情報を得て、このまま30年くらいやっていけるのかなという不安もありましたし、社会的な意義も考えると、自分一人だけで頑張って手を伸ばしても、社会に対して与えられる影響ってそんなにないよな、とも思って。そういったことを考えていた時に出会ったのがアーリーワークスでした。
コーポレートサイト制作の際は、その会社のことを隅々まで調査するのですが、アーリーワークスのホームページをリニューアルするにあたって調査していく中で、社員全員が本気で自社が掲げた理念に基づいていることに気づきました。アーリーワークスほど会社の理念を芯から全員が理解して、熱量と技術力を持って行動している会社はこれまでほとんど見たことがなかったんです。アーリーワークスは「これからの当たり前を開発る」というミッションを掲げていますが、このようなニュアンスのミッションを掲げる会社はとても多いです。社長がそう掲げているだけでマインドが浸透していなかったり、会社自体がそれに即した判断をしていなかったり、社員は理念を気にも留めていなかったりという会社が多い中で、アーリーワークスは本気で理念に基づいていて、全員の目線が一致していました。常に一流の仕事を目指している会社なので、成長意欲も全員が高かったですし、一人一人が持つ能力も桁違いで素直に尊敬したのを覚えています。
そこから様々な仕事で関わらせていただき、代表の小林さんとお話をさせていただく中で、この会社は他の会社とは根本的に全体の考え方や社員の意欲や働き方が違うというところを強く感じて、小林さんから直接お誘いをいただき入社する流れとなりました。実は他にもフリーランス時代にお誘いをいただいている会社はいくつかあって、その時は会社にネガティブな感情がどうしても残っていたので全てお断りしていたのですが、アーリーワークスは根本的に考え方や目線が違ったので、この会社だったら今までの漠然とした不安も解消できるのかなと思って入社を決めました。
——最初は正社員になるなんて全く思われていなかったんですね。
中村:アーリーワークスに出会う前は全く思っていなかったです。もう一つ入社したいと思ったポイントがあって、信念や技術力を持ったすごい人達が働いているのに、デザインの体制が全くなかったんです。とても勿体無いと思いました。リニューアルに携わったのちに、この会社の特性や魅力が全然伝えきれていないという反省の実感もあったので、この会社に関わることができるなら思い切り全て1つ1つ段取りを考えながら会社の中心で基礎を作っていきたいと思ったのも理由としてあります。
自主性を持つと生きていく上で
大切なスキルが身についていく
——次にデザイナーというお仕事のことについてお聞きします。アーリーワークスにおけるデザインの役割や立ち位置について教えてください。
中村:デザインという言葉がとても広義的なのでなかなか捉えづらいのですが、私はデザインを”創造的な行為全て”を指した言葉だと思っています。何を作るかという構想と、それを作るにあたっての計画、計画に基づいた設計、設計されたものに対する意匠という4つの軸があって、それぞれの手法と経過と結果、それら全てがデザインだと思っています。そういう面で見るとアーリーワークスにとってのデザインは単にビジュアルを良くする意匠のアプローチのみでなく、プロジェクトが立ち上がって拡散していくまでの流れの全てに関わるところになるので、ビジュアル的なクオリティも大事ですが、計画や設計、発案についても明確に関わる重要なポジションですね。
——今まで勤務されていた会社とアーリーワークスを比べた時にそのようなプロセスに関して違った部分はありましたか?
中村:他の会社では信じられないと思うのですが、仕様確定の前にデザインを行います。仕様の検討とデザインを同時に行うという流れで、デザイナーを構想と計画と設計も含めて考えられる立場だという前提で成り立っているためです。 一般的な会社だと何か発案があって、クライアントからの意見であったりヒアリングを営業の方が行なった上でプランナーがアイデアを出して、それを元にエンジニア側が仕様を決定した上でワイヤーフレームが決まり、最終的にデザイナーがデザインをするという流れかと思うのですが、アーリーワークスの場合は上流の発案やクライアントとのやりとりからデザイナーが入っています。そのため、デザイナー自らが意見を出したり、他の人から意見をもらいながらとりあえず意見が出せる土台をデザインとして作ってしまうといった点が、他者と大きく違うところです。それゆえにこの会社ではデザイナーに求められるスキルはとても高いものだと思います。
仕様が全て決まった後にデザインをする流れだと、デザイナーからしたら「こういう仕様よりこういった仕様の方がデザインとしていいものができるのに」というもどかしさも出たりするのですが、上流から関われる場合はそのようなことが全て解消されるんですよね。本来デザインの仕事の楽しさはそういった部分にあって、クオリティに一番関わってくるところだと思うのに、形式だって課題を解決しようとして、ビジュアル面で綺麗で魅力的にすることでそれを誤魔化すのはあまり誠実だと感じず、何より楽しくないと感じてしまいます。
——中村さん自身、そういった他社ではイレギュラーだと思える工程でも柔軟に対応できているのはなぜだと思いますか?
中村:自分自身フリーランス時代もその流れで作業を行なっていましたし、今でもそのやり方がとても正しいと思っているからでしょうか。デザイナーをただビジュアルを作ってその中で課題解決を試みる人だと思っていないんです。先ほども言ったようにデザインは創造的な行為の全てにあたることだと考えているので、デザイナーが上流から入るのは当たり前だと思っていて、アーリーワークスがそれをデザイナーに求めていることを十分理解しているからですね。意匠だけでなく多方面で勉強が必要な職業だと思っています。
そういった考え方を持ってアーリーワークスで働いていると、自主性がとても身につきます。自分から動かないと何も進まないという状況に置かれると、生きていく上で大切なスキルがどんどん身についていくんです。今こんな仕事があって、他の人は今これをやっているから自分の立場や役割を考えた時にこういうことができたら周りの人は助かるだろうなとか、仕事のクオリティを上げるためには今自分はこういう行動をしないといけないよなということが思い浮かぶようになってきます。単に様々な仕事をこなすだけでなく、状況に対して自分がどう動けばチームが最適な動き方をできるかという思考を持つことでこういった工程にも対応ができているんだと思います。
ワークライフバランスをとりながら成長できる環境が整っている
——アーリーワークスで活躍できるデザイナーはどんな人でしょうか?
中村:デザインプロセスの理解や、カラー設計とレイアウトの技術力などももちろん必要なのですが、「自主性」が大切だと思っています。自分はこの立場にいて、今の仕事はこう進んでいて、周りの人はこれをしていて、だから自分はこういうことをしたほうがいいだろうという想定力と実行力が必要です。目的意識を自分ごと化することができれば自然と足りない技術を補いつつ良い仕事ができますし、アーリーワークスでも活躍できるのではないかと思います。 他にも様々なことに興味関心を持つことであったり、最新の情報を追うことに抵抗がない方や几帳面であるけども人間味のある人も合うと思います。ただ几帳面な人だと気に食わないことは絶対に受け入れられないということが発生して視野が狭まってしまうので、器を広く持つということが必要だと思いますね。その上で人間らしく技術力を発揮できる人がアーリーワークスに向いていると思っています。
——中村さんは現在フルリモートで働かれていますが、自主性がイレギュラーな環境で働くことを可能にしているんでしょうね。フルリモートで働く上でのメリットやデメリットについてお教えください。
中村:何よりも思考と試行に対する時間的なロスが少ないのは大きなメリットです。何か思いついた時にすぐに手を動かせますし、移動の時間を作業に当てられますし、無駄な時間がなくなるのは魅力的ですね。コミュニケーションツールはネット上に集約されていますし、その場から一歩も動かなくても他の方の意見を聞けたりもするので、その点もフルリモートで良かったところです。一方で、デメリットについては仕事とプライベートの境界が曖昧になることです。私は5年ほど前からフルリモートで作業をやっているので慣れましたが、仕事中にプライベートなことで悩んだり、逆に休憩をほぼ取らず長時間の作業を行なってしまいプライベートが疎かになるということが起こり得ます。自己管理が何より大事ですね。また、作業の進捗が他の方の目に見えづらいためコミュニケーションを意識的に密にするということも大切です。
こういったフルリモートで働くことが許されているのはアーリーワークスの多様性という文化の魅力ですね。社内では他にもダブルワークをされている方もいますし、半分リモートで半分出勤というハイブリッド勤務をされている方もいます。副業も許されているので、ワークライフバランスをとりながら様々な方法で成長できる環境が整っていると思います。
どんなに技術が進歩しても、
人の感情を真に揺さぶることができるのは人だけ
——アーリーワークスではブロックチェーンをはじめNFTの事業も行っているのですが、デザイナーからみたブロックチェーンやNFTの将来性をどのように見ていますか?
中村:まずブロックチェーンに関しては本当に色々な可能性があると思っていて、技術的制約で実現できなかったことがブロックチェーンの力でどんどん開拓することができるようなポテンシャルを感じています。古い言い方をすればIT革命のようなことがまさに今起き始めている最中だと思っていて、アーリーワークスではブロックチェーンのデメリットを解消したシステムを開発しているので、それをより身近に感じています。 NFTに関しては、NFTアートが流行っている現在はクリエイターにとっていい環境ではあると思うのですが、NFTアート自体の価値よりも売り方であったりとか手法であったり、チームの信頼感に対する価値概念として存在していると感じるので、リスペクトの対象が若干ずれてきているような印象は持っています。ただ仕組みはとても面白いと思っていて、例えば将来、ポイントカードのようにお店それぞれのNFTが当たり前に存在していて、お店での取引以外の行動情報履歴がポイントとしてNFTに記録されていき、その中で様々なユーティリティが受けらたり、さらに独自のNFTが発行されて限定的な特典が得られる、ということが現実空間や仮想空間の境界がなく起きるととても面白そうです。
——難しい質問かもしれないのですが、今まではフィジカルな空間とデジタルな空間は分けて考えられていましたが、その空間が融け合った時代が当たり前になった時に、生まれてくるデザインの役割みたいなものは何があると思いますか?
中村:実は20年前くらいから近いものは存在していて、それがゲームです。ゲームは二次元的空間で現実にはない空間なのですが、現実の人と繋がれて交流することができる場所です。仮想空間なのでそこに存在するものは全て偽物なのですが、近年はどんどんクオリティが上がっているので、現実とは大差ない程の表現になっています。web3.0ではさらに概念がよりシンクロしていくということが考えられます。過去にネットゲーム中毒者と例えられた「自分の人生の全てはゲームの中にあり、現実空間は仮の人生である」という当時では偏った捉え方も、二次元空間で使っている通貨が現実空間でも使用できたり、二次元空間でのより臨場感のある人と会話が可能になることによって、現実と仮想がイコールで結ばれるという考え方がとても一般的になると思っています。 AIの発達も踏まえると、そんな状況で人間が行うデザインに求められるのは、技術面だけで見るとよりリッチで独自性のある表現と綿密に設計されたUXだと思っていますが、最終的には人にしか理解できない感情の機微や情緒を理解し、それを思いやる表現をすることだと思います。どんなに技術が進歩しても、最後は人の感情に行き着くので、そこを真に揺さぶれるのは人だけだと思っています。
——これから発展していくブロックチェーン業界でデザイナーとして働かれていますが、中村さんのこれからのキャリアについて、何年後にこんな姿になりたいという想定はありますか?
中村:…実は全く考えていないです(笑) それはあえてなのですが、先を決めると人生が楽しくないと思ってしまうんです。目標設定をして、その目標と今の自分のギャップを埋めていく作業が一番効率的で正しいとは思うのですが、それってどこかもったいない気がするんですよね。決めているルートを効率的に自分の想像通りに歩くのはすごく退屈で、かなり極端な思考ですが生きている意味がないとまで思ってしまいます。それは人によって価値観が違うと思うのですが、自分の場合は目の前のことを一生懸命やって、突発的な変化や転換がある中で充実感を得るという生き方が合っていると思います。 なので、今一番大事にしていることは、将来自分が取れる選択肢を増やすということです。悪く言えば計画性がないともとれるのですが、人生は自分の都合とは関係なく様々な事象によって変化していきますし、未来も読めないので、今できることを全力でやって選択肢を広げるということだけを考えています。
応募を検討している方へのメッセージ
——これからアーリーワークスへの応募を検討している方に対してメッセージをお願いします。
中村:自分のブレない信念を持っていて、自主性と思いやりがある方はアーリーワークスに入るとすごく刺激的で楽しいと思います。もしスキルや経験を持っていて、今までの何かおかしな「当たり前」に縛られている方がいたらぜひ入社していただきたいです。自分の将来の選択肢をどんどん広げられる環境だと思います。